スマートフォンの巨人、Xiaomi(シャオミ)が自動車業界に参入するというニュースが世界を駆け巡ってから数年。ついにその全貌が明らかになり、実際の納車が始まっています。
「スマホメーカーが作った車なんて、ただの家電でしょ?」
もしあなたがそう思っているなら、その認識は今日で覆ることになるでしょう。
Xiaomiが世に送り出した初のEV(電気自動車)「SU7」は、ポルシェに対抗しうる走行性能と、テスラを超えるようなテクノロジーを搭載し、驚くべき価格で登場しました。
この記事では、Xiaomiの車がなぜこれほどまでに注目されているのか、そのスペック、スマホとの連携、そして気になる日本発売の可能性や安全性について、どこよりも詳しく解説していきます。
- 1 Xiaomi のSUV「YU7」は、自社初の電気クロスオーバーSUVとして登場し、ミッドサイズながら長距離ドライブ向けに最大CLTCで約835kmの航続距離を実現している。
- 2 価格面では競合するテスラ「Model Y」よりも割安に設定され、中国国内では発売直後に数十万台の注文が殺到するなど注目を集めている。
- 3 Xiaomi のSUVは高性能・高級感も重視されており、他モデルとの連携や今後の展開(日本や海外展開の可能性を含む)にも期待が寄せられている。
Xiaomiの車「SU7」の驚異的なスペックと革命的なエコシステム

Xiaomiの雷軍(レイ・ジュン)CEOが「人生最後の創業」と位置づけて挑んだ自動車事業。その第一弾となるセダン「SU7」は、単なる移動手段ではありません。それは「人・車・家」を繋ぐ究極のスマートデバイスです。ここでは、そのラインナップと、Xiaomiだからこそ実現できた機能について深掘りします。
Xiaomi 車 一覧:グレード別スペックと価格の衝撃
まずは、現在発表されているXiaomi 車 一覧(ラインナップ)を見ていきましょう。SU7には主に3つのグレードが存在します。それぞれのスペックを比較表にまとめました。
| グレード | SU7 (Standard) | SU7 Pro | SU7 Max |
| 駆動方式 | RWD (後輪駆動) | RWD (後輪駆動) | AWD (全輪駆動) |
| バッテリー | 73.6 kWh (LFP) | 94.3 kWh (神行) | 101 kWh (麒麟) |
| 航続距離 (CLTC) | 700 km | 830 km | 800 km |
| 0-100km/h加速 | 5.28 秒 | 5.7 秒 | 2.78 秒 |
| 最高速度 | 210 km/h | 210 km/h | 265 km/h |
| システム電圧 | 400V | 400V | 800V |
| 中国価格(約) | 21.59万元 (約460万円) | 24.59万元 (約520万円) | 29.99万元 (約640万円) |
※価格は為替レートにより変動します。
驚異のコストパフォーマンス
表を見て驚くのは、その価格設定です。最上位モデルの「SU7 Max」は、0-100km/h加速が2.78秒というスーパーカー並みの性能を持ちながら、日本円で約600万円台という価格を実現しています。ポルシェのタイカン(Taycan)と比較されることが多いですが、価格は3分の1以下です。
デザインへのこだわり
デザインチームには、元BMWや元メルセデス・ベンツのデザイナーが参加しています。空力性能を示すCd値は「0.195」という世界トップクラスの数値を叩き出しており、これが長い航続距離にも貢献しています。外観はポルシェを彷彿とさせつつも、Xiaomiらしい近未来的なディテールが詰め込まれています。
Xiaomi 車 スマホ連携:HyperOSが描く未来
Xiaomiの車が他のEVメーカーと決定的に違う点、それはOSです。Xiaomiが開発した統合OS「HyperOS」が、車載システムにも搭載されています。これにより、Xiaomi 車 スマホ連携は、これまでの常識を覆すレベルに達しています。
「スマホを持って車に乗り込むだけで、すべてが同期される」
これがXiaomiの掲げるユーザー体験です。
- シームレスなアプリ利用スマホで見ていた地図や音楽、動画アプリが、車に乗り込んだ瞬間に車載の巨大なセンターディスプレイにアイコンとして表示されます。改めてペアリング設定をする必要はありません。スマホが車の一部になるのです。
- ハードウェアの拡張性(CarIoT)車内のあちこちにマグネット式の端子が用意されており、そこにXiaomi製のタブレットや物理ボタン、香りディフューザーなどを自由に取り付けることができます。これらもHyperOSを通じて即座に認識・制御されます。
- スマートホームとの融合車から自宅のエアコンや照明を操作するのはもちろん、自宅のインターホンが鳴った際に車のモニターで確認し、通話することも可能です。「車は家の延長線上にある部屋」という概念を具現化しています。
Appleが「Apple Car」の開発を断念した今、Xiaomiは「スマホメーカーが本気で作った車」の唯一無二の成功例となろうとしているのです。
期待と懸念:シャオミ SUVの開発、事故の噂、そして日本市場

華々しいデビューを飾ったSU7ですが、自動車業界への参入は決して平坦な道のりではありません。ネット上では事故に関する動画が出回ったり、次のモデルに関する噂が飛び交ったりしています。ここでは、Xiaomiの車を取り巻く「未来」と「現実的な課題」について、客観的な視点で解説します。
シャオミ SUV:次なる一手は「モデルY」キラーか
SU7の成功を受けて、すでに開発が進んでいると噂されているのがシャオミ SUVです。コードネーム「MX11」とも呼ばれるこの車両は、早ければ2025年〜2026年にも登場すると予測されています。
なぜ次はSUVなのか?
自動車市場、特にEV市場において最も需要が高いのはSUVカテゴリです。テスラでもセダンの「モデル3」よりSUVの「モデルY」の方が世界的に売れています。Xiaomiが真の自動車メーカーとしてシェアを拡大するためには、SUVの投入は必須条件です。
予想されるスペックとデザイン
スパイショットやリーク情報によると、フェラーリ初のSUV「プロサングエ」に似た、スポーティなクーペSUVスタイルになると言われています。
- 居住性: SU7よりも後部座席のヘッドクリアランスを確保。
- ファミリーユース: 広いラゲッジスペースと、より快適なサスペンション設定。
- レンジエクステンダー(EREV)の噂: 完全な電気自動車(BEV)だけでなく、発電用のエンジンを搭載したモデルも検討されているという情報があります。これが実現すれば、充電インフラに不安を持つ層も取り込むことができます。
シャオミ SU7 事故:安全性への懸念と真実
SNSなどで「シャオミ SU7 事故」という検索ワードが増えています。納車直後から事故映像が拡散されたことで、「Xiaomiの車は脆いのではないか?」「制御不能になるのではないか?」という不安の声も上がりました。しかし、これには冷静な分析が必要です。
事故の主な要因
分析の結果、多くの事故は車両の欠陥ではなく、以下の要因によるものであることが分かっています。
- 高すぎる性能: SU7 Maxは673馬力、最大トルク838N・mというモンスターマシンです。これまで一般的なガソリン車に乗っていたドライバーが、不用意にアクセルを踏み込むことで制御不能に陥るケースが多発しました。
- トラクションコントロールのOFF: サーキット走行やドリフトを試そうとして、安全装置を切った状態でのクラッシュも報告されています。
ブレーキ故障の噂について
サーキット走行中にブレーキが効かなくなったという報告もありました。これは、純正のブレーキパッドが街乗り用であり、サーキットのような過酷な連続走行(フェード現象)には耐えられなかったことが原因とされています。Xiaomi側も「サーキット走行をする場合は適切なアップグレードを行ってください」と注意喚起しています。
車体の剛性と安全性
実際の衝突安全テストや分解レビューでは、SU7のボディ剛性は非常に高い評価を得ています。テスラと同様の「ギガキャスト」技術を採用し、強固な構造を実現しています。つまり、「走るスマホだから脆い」という認識は誤りであり、基本性能は極めて高い水準にあります。
Xiaomi 車 日本:発売の可能性とハードル
日本のXiaomiファンにとって最も気になるのが、Xiaomi 車 日本発売の可能性です。現時点で、Xiaomi公式から日本市場への投入に関する明確なアナウンスはありません。しかし、状況を整理すると「ゼロではないが、ハードルは高い」という結論に至ります。
日本発売が難しい理由
- 充電規格の違い: 中国はGB/T規格、日本はCHAdeMO(チャデモ)規格です。日本仕様にするには充電ポートの変更やコンバーターの開発が必要です。
- サイズの問題: SU7は全長約5メートル、全幅約1.96メートルとかなり大柄です。日本の狭い道路事情や立体駐車場の規格(多くが全幅1.85m以下)には適していません。
- サポート体制: 自動車を販売するには、全国規模の整備ネットワーク(ディーラー)が必要です。スマホのように家電量販店で売るわけにはいきません。
それでも期待できる理由
一方で、希望もあります。
- BYDの成功: 中国メーカーのBYDが日本市場に参入し、徐々にシェアを広げています。これにより、中国製EVへの抵抗感が薄れつつあります。
- Xiaomi Japanの存在感: Xiaomiは日本でスマートフォン、タブレット、ウェアラブル、家電を展開し、ブランド認知度を高めています。「Xiaomiファン」の基盤はすでに日本にあります。
- 並行輸入: すでに一部の輸入業者が、研究用や個人の愛好家向けにSU7を並行輸入しようとする動きがあります。公道を走る姿が見られる日は近いかもしれません。
なぜXiaomiは自動車業界の「台風の目」になれたのか?
ここからは、スペックやニュースの裏側にある、Xiaomiの戦略的な凄さについて少し深掘りしてみましょう。なぜ、新興メーカーがこれほど短期間で高品質な車を作れたのでしょうか。
1. 驚異的な開発スピードと投資額
通常、自動車の新規開発には5年以上かかると言われていますが、Xiaomiは約3年でSU7を完成させました。これには、100億元(約2000億円)以上の初期投資と、3400人以上のエンジニアを集めた開発チームの力が大きく影響しています。
雷軍CEOは「テスラが10年かかったことを、我々は3年でやる」という気概でプロジェクトを推進しました。
2. サプライチェーンの掌握
Xiaomiはスマホ製造で培ったサプライチェーン管理のノウハウを持っています。半導体、バッテリー、ディスプレイなど、EVに必要な部材の多くはスマホや家電と共通、あるいは近い関係にあります。CATL(バッテリー最大手)やNVIDIA(自動運転チップ)といったトップ企業と強力なパートナーシップを結べるのも、Xiaomiというブランド力があってこそです。
3. 「モデナ」アーキテクチャと自社工場
Xiaomiは既存の自動車メーカーに製造を委託するのではなく、北京に自社の「ギガファクトリー」を建設しました。ここでは76秒に1台というハイペースでSU7が製造されています。自社開発のEVプラットフォーム「モデナ」は、800V高電圧システムやCTB(Cell to Body)技術など、最新トレンドをすべて網羅しています。
4. マーケティングの巧みさ
Xiaomiは「ファン作り」の天才です。開発段階から情報を小出しにし、技術発表会を行い、CEO自らが広告塔となって期待感を煽る。この手法はスマホ時代からの伝統ですが、自動車業界においては非常に新鮮に映りました。結果として、発売27分で5万台の受注という伝説的な記録を打ち立てたのです。
結論:Xiaomiの車は自動車業界の新たな覇者となるか

Xiaomiの車「SU7」は、単なる新しい電気自動車ではありません。それは、自動車が「走る機械」から「移動するデジタル空間」へと完全に進化を遂げたことを象徴するプロダクトです。
- 驚異的なスペックと価格:SU7 Maxのパフォーマンスはスーパーカー並み。
- スマホとの完全な融合:HyperOSによるシームレスな体験は他社の追随を許さない。
- SUVへの期待:シャオミ SUVが登場すれば、ファミリー層を含めたさらに広い市場を席巻するでしょう。
- 安全性と信頼性:シャオミ SU7 事故の話題はあるものの、車体構造や技術的な安全性は極めて高い水準にあります。
日本市場におけるXiaomi 車 日本発売の壁はまだ厚いですが、BYDの進出や、日本のEVシフトの加速によっては、数年後に「Miロゴ」のついた車が日本の道路を走っている未来も十分にあり得ます。
かつてスマートフォンで世界を変えたXiaomi。今、彼らは自動車という巨大な産業に、デジタル革命の旗を立てようとしています。
もしあなたが「次はどんな車を買おうか」と悩んでいるなら、まだ買えないとしても、Xiaomiの動向をチェックしておくことは無駄ではありません。なぜなら、Xiaomiが提示した基準が、今後のすべてのEVの「新しい当たり前」になっていくからです。
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